2005年 03月 28日
考え方は人の数だけある |
私の免許には、Donorと書かれた小さな丸いシールを貼り付けてある。
免許と一緒に届く書類に、臓器提供についての書類がある。
その書類に、臓器提供を申し出る場合は、その書類に貼ってあるシールを免許証に貼り、書類にサインしてどちらも持ち歩く事、と書いてある。
私は、"Donate my entire body 全身を提供する"にチェックをしている。
極端な話、私が家から二十四時間かかる場所で一人で死んだ場合、おひげや小僧が駆け付けた時には、私の体は臓器を必要としている人の体の中にそれぞれおさまり、機能しようとがんばっているのである。
おひげと小僧がやってくる頃には、私という肉体は既に私ではなく、それぞれに臓器や部品として分かれてしまった後となるのである。
それはそれで、社会の役に立てて私は本望である。
(家族の情としてみたら色々考えはあろうけれど、私は人間はすべからく社会の役に立つべきであると考えているので。)
それとはまた別に、おひげと小僧には、私に何か遭った場合、延命措置は施さないようお願いした。
延命措置が必要となった場合、私の体は全て、何かを必要としているどこかの誰かに使ってもらいたい。
これは、私の肉体に対する成人した私の意見である。
小僧に延命措置が必要になった場合、私は何が何でも措置を施してもらうだろう。
そして、ロレンツォのオイルのように、小僧が目を覚ます何かがみつかるまで、若しくはみつけるまで、私は小僧の延命措置を止めはしないだろう。
ただ、成人した小僧が自分の意思で、"Donate my entire body"と決めた場合、私はもうどうしようもなく、措置をつけることを諦めないといけないのである。
これは私の考えであり、誰もがそうすべきであるとは全く考えていない。
それぞれの人間や家族には、それぞれの考え方がある。
テリイシャイボさんとそのご家族の、今までの、そしてこれからの長く辛い日々を思う。
免許と一緒に届く書類に、臓器提供についての書類がある。
その書類に、臓器提供を申し出る場合は、その書類に貼ってあるシールを免許証に貼り、書類にサインしてどちらも持ち歩く事、と書いてある。
私は、"Donate my entire body 全身を提供する"にチェックをしている。
極端な話、私が家から二十四時間かかる場所で一人で死んだ場合、おひげや小僧が駆け付けた時には、私の体は臓器を必要としている人の体の中にそれぞれおさまり、機能しようとがんばっているのである。
おひげと小僧がやってくる頃には、私という肉体は既に私ではなく、それぞれに臓器や部品として分かれてしまった後となるのである。
それはそれで、社会の役に立てて私は本望である。
(家族の情としてみたら色々考えはあろうけれど、私は人間はすべからく社会の役に立つべきであると考えているので。)
それとはまた別に、おひげと小僧には、私に何か遭った場合、延命措置は施さないようお願いした。
延命措置が必要となった場合、私の体は全て、何かを必要としているどこかの誰かに使ってもらいたい。
これは、私の肉体に対する成人した私の意見である。
小僧に延命措置が必要になった場合、私は何が何でも措置を施してもらうだろう。
そして、ロレンツォのオイルのように、小僧が目を覚ます何かがみつかるまで、若しくはみつけるまで、私は小僧の延命措置を止めはしないだろう。
ただ、成人した小僧が自分の意思で、"Donate my entire body"と決めた場合、私はもうどうしようもなく、措置をつけることを諦めないといけないのである。
これは私の考えであり、誰もがそうすべきであるとは全く考えていない。
それぞれの人間や家族には、それぞれの考え方がある。
テリイシャイボさんとそのご家族の、今までの、そしてこれからの長く辛い日々を思う。
by yumikodi
| 2005-03-28 16:24
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Comments(13)
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yumikodi at 2005-03-28 17:11
措置、と書くべきなのに、装置、と書いてしまったところを直しました。
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Hiro
at 2005-03-28 17:48
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なかなか勇気のいることだけど、確かにそうだよね。
焼かれてしまったら灰になってしまうけど、誰かの身体の中で行き続ける、って考えれば・・。
といいながら私にはまだ決心ができないなぁ。自分は死んじゃってるわけだからどうでもいいはずなんだけど。ゆみちゃんのこの潔さ、少し私にも分けてください。
焼かれてしまったら灰になってしまうけど、誰かの身体の中で行き続ける、って考えれば・・。
といいながら私にはまだ決心ができないなぁ。自分は死んじゃってるわけだからどうでもいいはずなんだけど。ゆみちゃんのこの潔さ、少し私にも分けてください。
私も前回の更新時はよく読まずにサインする紙を捨ててしまったので、今回はちゃんとサインして持ち歩くようにしました。
私もHiroさんとまったく同じことを考えました。焼かれて肺になってしまうより、誰かの体を借りて部分的にでも生き続けてくれているんだと思えば、残された家族もハッピーに思えるかなと。残される家族自体いない立場だから簡単にそう言えるだけかもしれませんが、私の場合。
私もHiroさんとまったく同じことを考えました。焼かれて肺になってしまうより、誰かの体を借りて部分的にでも生き続けてくれているんだと思えば、残された家族もハッピーに思えるかなと。残される家族自体いない立場だから簡単にそう言えるだけかもしれませんが、私の場合。
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at 2005-03-29 01:09
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2005-03-29 09:45
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2005-03-29 11:34
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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yumikodi at 2005-03-29 14:27
Hiroさん、ありがとね。
Hiroさんが思ってるとおりでいいんだよ。
私の考えは、もしかしたらおひげや小僧や私の家族にとっては、やっぱり淋しい事かもしれないし。
たしかにどこかで自分の体が行きつづけるって、ちょっと嬉しいかもしれない。
角膜がね、三代にわたって移植してうけつがれたっていうのを読んだことがあって、なんだかとっても感激した事を思い出しました。
ゆっくり考えればいいのだ。
Hiroさんが思ってるとおりでいいんだよ。
私の考えは、もしかしたらおひげや小僧や私の家族にとっては、やっぱり淋しい事かもしれないし。
たしかにどこかで自分の体が行きつづけるって、ちょっと嬉しいかもしれない。
角膜がね、三代にわたって移植してうけつがれたっていうのを読んだことがあって、なんだかとっても感激した事を思い出しました。
ゆっくり考えればいいのだ。
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yumikodi at 2005-03-29 14:34
かんちゃん、残される家族や友人はたくさんいるよ。
あの書類、なんだかわからずぽいっとしてしまうくらい小さな書類だよね。
もしかしたら、自分や自分の家族や自分の大切な人が、臓器移植をしないと生き長らえないかもしれない病気になることだってあるんだよね。
お互い様、という感覚で、みんなが無理せずできる範囲で提供できるといいな、と思ったりしてます。
あの書類、なんだかわからずぽいっとしてしまうくらい小さな書類だよね。
もしかしたら、自分や自分の家族や自分の大切な人が、臓器移植をしないと生き長らえないかもしれない病気になることだってあるんだよね。
お互い様、という感覚で、みんなが無理せずできる範囲で提供できるといいな、と思ったりしてます。
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yumikodi at 2005-03-29 14:41
非公開1さん、そのドキュメント、私も観たおぼえがあります。
日本でもアメリカでも、遺されたご家族の気持ちを考えると、いくら子供への提供でも強くお願いする事が出来ないのが実情のようです。
私でも、自分はどこでもつかってください、と思っておりますが、いざ息子がそのような状況になったとしたら、脳死を認めることはできないかもしれません。
また逆に、もし息子が臓器提供を待ちつづけるだけの日々を送るとしたら、脳死を認めない親を恨んでしまうかもしれません。
本当に難しいですね。
ありがとうございました。
日本でもアメリカでも、遺されたご家族の気持ちを考えると、いくら子供への提供でも強くお願いする事が出来ないのが実情のようです。
私でも、自分はどこでもつかってください、と思っておりますが、いざ息子がそのような状況になったとしたら、脳死を認めることはできないかもしれません。
また逆に、もし息子が臓器提供を待ちつづけるだけの日々を送るとしたら、脳死を認めない親を恨んでしまうかもしれません。
本当に難しいですね。
ありがとうございました。
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yumikodi at 2005-03-29 14:46
非公開コメントありがとねえ。
うん、家族に会いたいって言うその気持ち、とってもよくわかる。
私ももしかしたら、すっと体から抜け出して、小僧のとこにやってきてしまうかもしれない。
未練なんだろうなあ、と思うけれど、それは本当に愛情なんだよね。
自分がどれだけあなたの事を思って考えて大切に思っていたよ、ということが伝わってくれるといいな、と考えてます。
海をはさんでいると、ストレートに感情が伝わらなくてもどかしい思いをすることもあるだろうね。
今度会ってくるんでしょ?ゆっくりおはなしできるといいね。
うん、家族に会いたいって言うその気持ち、とってもよくわかる。
私ももしかしたら、すっと体から抜け出して、小僧のとこにやってきてしまうかもしれない。
未練なんだろうなあ、と思うけれど、それは本当に愛情なんだよね。
自分がどれだけあなたの事を思って考えて大切に思っていたよ、ということが伝わってくれるといいな、と考えてます。
海をはさんでいると、ストレートに感情が伝わらなくてもどかしい思いをすることもあるだろうね。
今度会ってくるんでしょ?ゆっくりおはなしできるといいね。
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yumikodi at 2005-03-29 14:53
非公開コメント3さん、ありがとねえ。
そうかあ、そういう考えもあるね。
私は、小僧やおひげが、きっとどっかでうりゃ!とかどりゃ!って言いながら私の心臓や肝臓はがんばってるに違いないって笑ってもらえるといいなって考えてます。
こればっかりは、無理強いできる事ではないので、私がそうするからみんなもしてくださいなんて、考えておりません。
きれい事かもしれないけれど、きれい事でも助かる人がいるならそれはそれで私は充分だなあ。
ありがとね。
そうかあ、そういう考えもあるね。
私は、小僧やおひげが、きっとどっかでうりゃ!とかどりゃ!って言いながら私の心臓や肝臓はがんばってるに違いないって笑ってもらえるといいなって考えてます。
こればっかりは、無理強いできる事ではないので、私がそうするからみんなもしてくださいなんて、考えておりません。
きれい事かもしれないけれど、きれい事でも助かる人がいるならそれはそれで私は充分だなあ。
ありがとね。
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peartree22 at 2005-03-29 18:01
テリイシャイボさんのことは日本でも話題になっていました。私はご両親、だんなさまどちらにとは言えないけれど、ただなんだか何回も延命装置を外したり付け直されたりということにうーーーんつらいなぁと思っちゃいました。政治が介入するのもどうなんでしょうね。やっぱりゆみたちさんが書いているようにその個人の意志とそして家族の問題だなぁと思いました。私もあの丸いシール、小さいけれど重みがあるなぁと思ってなかなか付けられませんでした。そのときはこーせーくんや親とも話をしました。やっぱり親は反対したけれど、最後は私の意志を尊重してくれたので、結局シールを付けてました。でもゆみたちさんと一緒で、娘に対しては脳死を認めたくないだろうし、奇跡を信じてしまうでしょう。たとえば、臓器移植が確実に成功すると分かれば考えが変るかも。成人するまで親が子供の保護者であり、決定権があるというのはすごいことですよね。ありちゃんが入院したとき、病院でのサインでもびくびくしちゃいました。
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ゆみたち
at 2005-03-30 04:56
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なかなか難しい問題だと、つくづく思います。
あの丸いシールには、本当に深い深い意味がありますね。
日本ではアイバンクに登録していましたが、アイバンク登録の有無を保険証に記せると、登録している人の意思が尊重されてちゃんと移植にうつれるそうなんです。
本人が登録していても、いざとなると周りが反対して実現されない事が多いそうなので。
あ、あと、アイバンクに登録したら、順番になったら生きていても角膜を提供しなくてはいけない、と信じている方が多いそうです。
ちゃんと情報を提供していかないといけないね。
ありちゃんだっこして、あれこれ話したいねえ。
あの丸いシールには、本当に深い深い意味がありますね。
日本ではアイバンクに登録していましたが、アイバンク登録の有無を保険証に記せると、登録している人の意思が尊重されてちゃんと移植にうつれるそうなんです。
本人が登録していても、いざとなると周りが反対して実現されない事が多いそうなので。
あ、あと、アイバンクに登録したら、順番になったら生きていても角膜を提供しなくてはいけない、と信じている方が多いそうです。
ちゃんと情報を提供していかないといけないね。
ありちゃんだっこして、あれこれ話したいねえ。